●ネットフリックスが戦う、猛スピードの相手とは
●新しくて深い、スポンサーシップとそのM&A戦略
●日経、FTを占う、ニューヨーク・タイムズの動向
●スマホを売らない、ベライゾンのショールーム
●静かに大きな動き、電通の決算期移行(12月決算)
●韓国エージェンシー・チェイルのグローバル化へのステップ
ネットフリックスが戦う、猛スピードの相手とは
■すでに米国4大テレビ局を超えているネットフリックス
ネットフリックスと米国4大テレビ局やケーブル局との立場が逆転しているインパクトが一目でわかる下記のリサーチ(大手調査会社Ipsos Media)データをご覧いただきたい。
図1:ネットフリックスの視聴動向を出口調査
出典バラエティー誌IPSOS調べ http://variety.com/2015/data/news/netflix-top-choi...
調査は「週あたり5時間以上見るチャンネル」の選択。上記円グラフでネットフリックスの後塵を拝している大放送局のABC、NBC、FOX、CBSが「日テレ、テレ朝、フジ、TBS」と置き換わる可能性を考えてみて欲しい。「テクノロジーとビジネスモデル」が勝負の「放送」や「コンテンツ」のビジネスは、TPPなどの後ろ盾なくともグローバル化が一気に進む。もちろんこの調査にもバイアス※がある分を差し引く必要があるが、それでもアメリカの現在の視聴者動向は肌感覚で「だいたいこんな感じ」だ。
(※例えば王者YouTubeがチョイスにない。・6月15日の週のみの調査。・サンプル数が少ない(公開されていない)。 等 出典:バラエティー誌)
■13−34歳世代は、圧倒的にネットテレビに逆転
上記調査で13—17歳(ネットフリックス25.5% 対 ABC 2.5%)、18−34歳(ネットフリックス21.6%、対 ABC4.9%)と、ネットフリックスが他テレビ局チャンネルより抜きん出ている様子は日本の読者には驚くべき数字だろう。かろうじて50歳以上の「テレビ黄金世代」にて、ようやく5大放送局はネットフリックスと「競り勝って」いる状態だ。伸び続けるネットフリックスの企業価値は直近で4大局の一角CBSの企業価値(約2.9兆円 244億㌦)やMTV等を持つバイアコム(約2.1兆円 182億㌦)を超えて約6.3兆円(526億㌦)と、倍近い価値になった。
当たり前のように毎月100㌦超を支払っていたケーブルテレビの視聴コストから見て、ネットフリックスのアメリカの料金は月額9㌦弱(8.99㌦)と格段に安い。日本の感覚での「980円ポッキリ」の1000円を切る感覚だ(円安の現在のレートより、100円-110円くらいが生活感として近い)。「(マルチスクリーンではなく)1画面固定の場合は、割安の7.99㌦」「ファミリープランの場合4スクリーン合算で11.99㌦」等の価格差別戦略で、既存のテレビ視聴者だけでなくHBOやHuluらのSVOD顧客すらも奪い取っている。
さらに米国でのネットフリックス自社のマーケティング(広告)費は2012年約261億円(2.18億㌦)→2013年約171億円(1.43億㌦)→約145億円(1.21億㌦)と順調に縮小できており、映画ユーザー等へ向けたデジタル予算に順調にシフトさせ効率化を図っている・・・
続きはMAD MANレポートVol.9にて
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