顧客インサイトから導く価値創造型コンセプト開発

■企業名

株式会社ブレインスリープ 



■プロダクト/サービス

ブレインスリープは、睡眠医学に基づいた確かな知見と先進のテクノロジーを掛け合わせ、脳と睡眠を科学するソリューションカンパニーです。専門家と連携した睡眠研究、オリジナルプロダクト開発、企業やクリニックへのコンサルティングなど、睡眠に特化したあらゆるソリューションで人や社会の可能性を目覚めさせることを目指します。

今回の支援対象プロダクト
・ブレインスリープ マットレス プレミアム フロート
https://brain-sleep.com/collections/mattless/products/mattress_premium_float
・ブレインスリープ マットレス フロート
https://brain-sleep.com/collections/mattless/products/mattress_float

premium_KV

 

■プロジェクトの背景と課題

ブレインスリープは“脳まで眠る睡眠科学と、先進のテクノロジーで、人の可能性を目覚めさせる“というパーパス、”AWAKEN YOUR POSSIBILITY”というコミュニケーションコンセプトを掲げ2019年に創業。2020年からピローの販売を開始し、技術革新が進んでいなかった枕市場の中に「速く、深く、脳が眠る。」という新たな価値を提案することで売り上げを伸ばしてきました。
しかし、スタープロダクトであるピローを中心に“プロダクトのファン”づくりはできていましたが、“ブランド(BRAIN SLEEP)のファン“になっていただくまでの関係構築に及んでおらず、広告出稿を強化することで売り上げを伸ばす広告依存体質で、LTV向上による売り上げの創出ができていないことがビジネス上の問題でした。

問題解決のための次なる戦略プロダクトとして「マットレス」を据えていましたが、市場の大きさと比例して競合プレイヤーも多く苦戦していたため、独自性の高い価値の創造とそれを伝えるためのコンセプト策定を合わせておこなっていく必要がありました。


■支援概要

1.ブレインスリープ購入者の理解(インサイトの探索)
カスタマージャーニー調査を通じて「ブレインスリープピローのみ購入者」「ピロー&マットレス同時購入者」「ピロー購入後マットレス購入者」の3属性、合計30名分のカスタマージャーニー個票を作成し、ライフスタイルや悩み、睡眠環境などの実態を把握。それらをベースに、購買行動に至る背景となる生活者の価値観、潜在的に抱える欲求・未充足=インサイトの探索をおこないました。


2.バリュープロポジションとSTPの設計
カスタマージャーニー個票をもとにインサイト&バリュープロポジション設計をおこない、それらをPoX(Point of Difference/Parity/Failure)の視点で市場における競争優位が獲得できるかを検証しました。また、それらのインサイト&バリュープロポジションをベースにブレインスリープのマットレスを選んでいただける独自のポジショニングを整理しました。


3.コミュニケーションコンセプトワードの開発
既存顧客のLTV向上を主眼に置き、設計したバリュープロポジションをブレインスリープのマットレスの魅力を伝えていくためのコンセプトワードへと昇華させました。

上記のプロセスをブレインスリープ様にも一緒に取り組んで頂くことで、プランニングプロセスの共有、マーケティング思考のインストールを実現しながら、プロジェクトマネジメントをおこないました。

 

BS_プロセス
プロジェクトのプロセス概要

 

BS_カスタマージャーニー顧客理解のためのカスタマージャーニー調査(個票イメージ)
※本プロジェクトでは30名分の個票を作成

 

BS_VP設計-1
バリュープロポジションの設計

 

BS_コンセプトワードコンセプトワードの開発

 

■支援期間

2023年12月〜2024年2月(3ヶ月)

 

■支援体制

プロジェクト責任者:中村 元海 
クリエイティブディレクター:川越 智勇
マーケティングプロデューサー:須藤 宗
プランナー:川合 結子

 

■BICP担当者からの一言

個人的にブレインスリープピローのユーザーでもあり、楽しみながらプロジェクトのご支援させていただきました。
マットレスの機能・性能がコモディティ化し、既存ブランドや新興D2Cブランドが競争を激化させる中で、ブレインスリープ様らしい独自性を築くことは難題でした。そこで、ブレインスリープのユーザー行動の背後にあるインサイトをカスタマージャーニー調査から探索することで、インサイトを満たすバリュープロポジションを設計しました。 このバリュープロポジションを基に、マットレス単体でなく、「速く、深く、脳が眠る枕」という同社のブランド資産と関連付けた結果、「睡眠研究の成果を結集した全身が速く深く眠るマットレス」というコミュニケーションコンセプトを導き出しました。
ブレインスリープ様と共に議論を重ね、悩みながら様々な方向性を検討した結果、良いアウトプットに繋げることができました。(BICPマーケティングプロデューサー 須藤 宗)

■クライアントからの一言

今回のプロジェクトではマットレスのインサイトの深堀りからコンセプトの開発までをおこないました。
弊社のメインプロダクトであるピローに関しては、過去もユーザーへのデプス調査やコンセプトのブラッシュアップなどおこなっていたのですが、マットレスに関してはなかなか顧客インサイトの深堀ができていなったので、改めて今回取組をおこなったことでブラッシュアップすることができました。
プロダクトが変われば、市場も顧客のインサイトも異なってくるので、今後も弊社のブランドの強みを生かしながら、プロダクトごとにコンセプトやコミュニケーションを最適化していきたいと思います。
(株式会社ブレインスリープ 執行役員 デジタルマーケティンググループ 池城 安雲様)

 

2024年7月掲載