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世界のグローバルブランド、日本のグローバルブランド
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今年もMAD MANレポート12月号の恒例の世界の広告主出稿量ランキングとブランド・ランキングのリストを巻末に添えた。(添付1)の広告主出稿量ランキングはAdage誌が毎年集計発表しているリストで、(添付2,3)はブランド・ランキングに関してはWPP傘下のMillward Brown発表の「Brandz(ブランジー)」のランキングである。加えて今年はOmnicom傘下のInterbrand発表のランキング(添付4,5)も比較のために添付した。
MAD MANレポートの読者の目線がマーケターであれば、参考にすべき世界のブランド企業のリストになろう。エージェンシーやメディアの目線であればパートナー企業として選ばれたい企業(クライアント)のリストになるはずだ。ここに登場する100社の名前はグローバルビジネスで頻出用語として認知しておきたい。
昨年12月号で紹介した2014広告出稿ランキングには日本企業が20社登場していたが、今回の2015年ランキング(添付1)では12社に減っている。2014年の100位が任天堂の3億2,700万ドル(約376億円)であったのに対し、2015年の100位はアリババの8億7,500万ドル(約1,006億円)になっており、「足切り」水準が500億円も以上あがったことになる。結果日本企業は100位から多くあふれてしまった。
これに対しブランド・ランキングを見てみると、
・Millward Brownが発表するランキング(添付2)に登場する日本企業は5社。
トヨタ、NTT、ホンダ、日産、ソフトバンク
・Interbrandが発表するランキング(添付4)に登場する日本企業は6社。
トヨタ、ホンダ、キヤノン、日産、ソニー、パナソニック
両ブランド・ランキングはブランド価値換算を各社行った上でのランキングだ。2014年の「出稿量」ランキングには日本企業は20社、2015年でも12社登場する一方で、「ブランド」ランキングになると5~6社しか登場できないとすれば、日本企業全体の広告投下の傾向はブランド作りの面では効率が悪いとも言える。日本ブランドの広告の主目的が「販促寄り」で投下されている傾向が薄っすらと見えるであろう。
調査方法や指標が違うので上記2つのブランド・ランキングの比較はできないが「足し合わせて」みると自動車上位3社(トヨタ、ホンダ、日産)と家電2社(ソニー、パナソニック)、通信2社(NTT、ソフトバンク)、これにキヤノンを入れたリストが日本の「グローバル代表ブランド群」という所だ。国内でお馴染みのユニクロやLINEなどは、まだまだグローバル土俵での「蓄積」が足りない。
価値を下げ続けている日本のメジャーブランド
Millward Brown のランキングで日本ブランドのトヨタ、ホンダ、日産の価値と順位の推移を見ると、ブランド価値が横ばいのままで(添付3、図下)、順位ランキングは毎年じわじわと下げている(添付3、図上)のがわかる。比較対象としてグーグルとアップルを並べたが、彼らはブランド価値を毎年上げ続けながら、上位のポジションを維持しているのがわかる。
悲観するだけではなく、明るいリストも用意した(添付5)。Interbrandは、世界の市場で活躍する日本企業ブランドとして40社をリストしている。これらの40社は日本市場内部での販促投下だけでなく、グローバル市場においてのブランディング構築を考えている(考えるべき)ブランドだ。これらの40社レベルになれば、社内にグローバルCMOが存在し、グローバルでのブランディングにおけるKPI/KGIが設定されているはず(べき)だ。読者の身近のブランドがあれば是非彼らの活動指針を確認してみて欲しい。
【添付1】
出典:http://adage.com/datacenter/
【添付2】
出典:http://wppbaz.com/admin/uploads/files/BZ_Global_20...
続きはMAD MANレポートVol.25にて
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