●3年後のプログラマティックTV実現の前に考える「アドレサブル」への道と、日本市場へのステップ
☆コラム:アドレサブル接続を広げるIP接続のソニー、DISH、そしてアップル
☆コラム:グーグルの長期視野でのプログラマティックTVの戦略変更
☆コラム:PTVによってもたらされる「ローカル(地方局)」の変化
☆まとめ:PTVの近未来と、日本のテレビ局の未来
●分散型メディア戦略での「ビデオ」は、パブリッシャーの収益にどのように作用するのか
プログラマティックTVの次の行方を追う
●2015年Adage エージェンシーランキングから考える事米国広告主協会が発表した「メディア取引透明性」裏話
プログラマティックTVの大前提、アドレサブルTV(addressable TV)
リ二アTV放映のコンテンツや広告がプログラマティックに取引されるためには、大前提となるインフラとして、視聴者が「アドレサブル(捕まえられる)」である状態が求められる。
日本では視聴者は公共資産の「地上波」を匿名で自由に受信する形態が多いので、なかなかコンテンツ放映側にとって視聴者が「アドレサブル」にならない。しかし米国視聴者はケーブル回線や衛星放送の「登録サブスクリプション」で8割が繋がっている(図4)。
図4:米国のリネアテレビの接続状況。
ケーブル+衛星=83%、アンテナ6%、ネット接続45%、ネット接続のみ5%
セット・トップ・ボックス(STB)や回線を通じ、米国のアドレサブルな世帯は現在約5,000万世帯と言われ、ニールセンが定める米国テレビ世帯数1 億1,640 万世帯と比べて、ようやく4割程度がアドレサブルになっていると言える。(オプトインが前提なので全数ではない)
このリーチ可能な世帯数算出は、ケーブル回線や衛星回線による配信社(パイプ屋MVPDs※)であるコムキャストやタイム・ワーナーケーブル、ディレクTV等がそれぞれ抱える1~2千万世帯単位の「サイロ」を積み上げた総数だ(図5, 6)。しかしパイプ屋(MVPDs)間での横断リーチは、依然出来無い。マーケター側から見れば、手間がかかる新しい「ウォールド・ガーデン」がパイプ屋(MVPDs)ごとに作られた感じだ。※Multichannel Video Programming Distributors (MVPDs) と呼ばれる事業主を指す。Page 13の図10の略図を参照
スマホやタブレットを通じたマルチデバイスの横断数やリーチを考慮する必要は横において、それぞれのパイプ屋(MVPDs)のユニーク・リーチ数は「登録サブスクライバー」のアカウント数に比例する。よって「アドレサブルTV」としてリーチできるユニーク・ユーザー(世帯)は、下記図6のコムキャストのユーザー数やタイム・ワーナーケーブルらのそれぞれのユーザー数の280~1,900万万世帯を「合算した数」として約5,000万世帯が見積もられる(図6)。
図6:パイプ屋(MVPDs)が見積もるリネアTVのアドレサブルな世帯数。
上記を総数足し、成長含めると現在全米でおおよそ5000万世帯がアドレサブルな世帯になっている。
出典)4A, Data Driven Video 2015
一方、リニアTVに対し「ビデオ」サブスクリプションでは、アマゾンは「1社で」米国世帯の 約5,400万件、ネットフリックスは「1社で」 約4,400万件の「アドレサブル」視聴者を持っている(先月号MAD MANレポートにて詳細)。プログラマティックの「ビデオ」の市場は、「TV」より先に大きなアドレサブル・リーチを持っている状態だ。
にもかかわらず「広告扱い高規模」で予想すると、2017年にはプログラマティック「ビデオ」と「TV」の市場規模が逆転するという予報が上記の図1,図3の数字だ。いかに「テレビ広告」の需要人気と単価が高値であるかの証明である。
以上、米国で進む「アドレサブル」状況の数値だが、・・・・
続きはMAD MANレポートVol.18にて
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