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金融機関がフィンテックを使い、行動マーケティングのその先の価値へシフト
今年はニューヨークへやって来る日本からの出張者が、なぜか金融業界ばかりが目立つという状態が続いた。日本からのフィンテック(ファイナンス+テクノロジー)視察出張だ。日本のでのフィンテックもようやく騒がしくなってきた。例えば、
・みずほ銀行がマネーフォワード社と提携して会計支援サービスをはじめる
・NTTデータがフィンテック有望ベンチャーを発掘する
・三菱東京UFJ銀行がフィンテック・チャレンジを開催し、三井住友銀行も同様イベント開催
・楽天がビットコインに注力する
・富士通がフィンテックのコンソーシアムを立ち上げる
等の動きは出始めた。しかし、日本の現状は世界とは圧倒的な件数と投資額の差において「天と地」程に引き離されている大前提を理解しておく必要がある(図1)。米国と欧州(主にロンドン)で9割以上の技術(スタートアップ)がカバーされている。
図1:世界のフィンテック投資の伸びと、欧米の比率。全体の9割近くを米国(青)と欧州=ロンドン(オレンジ)で占める状態。2014年の伸びと同じ勢いで2015年も伸びている。
■技術で追いつく、ではなく、技術への親和性を高める
金融こそ数字の世界=デジタルでの親和性が高い。国境を越え、国の信用を超えて個人同士がデバイスでつながり、トランザクションが行われる金融世界が発達していく。もはや日本が追いつくとか競争とかの次元は終わった。
「日本の技術の世界進出」などという日の丸発想は捨てて、世界の新しいサービスを見つけて、楽しむ勢いが個人レベルで必要だろう。また企業経営目線では、世界の新サービスへの広い投資、採用の目利きの「スピード」が経営能力の大きな1つに入ってくる。日本政府の規制緩和待ち、と考えていては、規制と共に世界から8年以上遅れる事になる。
■フィンテックを牽引するのは、グーグル
金融業界でのフィンテック牽引リーダーはゴールドマン・サックス、JPモーガンチェース、ビザ、マスターなどの大手なのだが、彼らもすでに防戦状態で実は「パイ」を食われている立場。グーグル、インテル、アップル、ヤフーなどのデジタル勢力(かつ、キャッシュを持つ企業)が圧倒的な位置を占めようとしている(図2、3)。
日本企業でフィンテック周辺に食い込んでいるのは楽天とソフトバンク。彼らはすでに日本企業として軸足ではなく、グローバルでの「買い物」ネットワークが張り巡らされている。投資の目利き役は日本人ではない人材が登用されている。話題のソフトバンクのアローラ氏も目利き役として参画したのだ。
図2:フィンテックに積極的な企業リスト。
2010-2015年の間における投資件数でのランキング
出典:CB Insights
■フィンテックの技術は主に4つのエリアが注目されている
1)「融資、資金の貸出」:ソーシャル・レンディング、クラウド・ファンディング
2)「決済、送金」:モバイル決済、個人間送金・・・
続きはMAD MANレポートVol.11にて
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