こんにちは、“コロナ禍”を整理しながら、“New Normal” を考える、「BICP ’20チャレンジ」運営チームです。
このたび、「BICP ’20チャレンジ」と名付けて、社内でシェアされている様々な新型コロナウイルス(COVID-19)関連のトピックスを政治・経済・社会・テクノロジー・環境の5つのカテゴリに分類しながら、ディスカッションしていくことにしました。
一人だと、消化しきれないもの、ちょっと他の人と意見交換してみたいな、というトピックを中心にピックアップして着目視点とともに、お届けしていきます。
→「BICP ’20チャレンジ」の詳細はこちら
https://bicp.jp/blog/bicp-20-new-normal-1
メンバー紹介
参加メンバーをご紹介します。
●1人目:BICP関西オフィス 森国
関西オフィス責任者、兼ツッコミ担当執行役員。ボケ担当の相方を募集中。コロナの影響による世界経済の動向と人々の価値観の変化が気になる。趣味はビール。
●2人目:BICPマーケティングプロデューサー 川本
サービスデザイン担当。コロナによる新たなテクノロジーの普及、企業のデジタルシフトに伴うビジネスモデルの変化が気になる。食べ物にこだわり、合言葉は「おいしいもの、たべてますか?」
●3人目:BICPプランナー 川合
戦略プランニング担当。BICPのSDGs担当として事例を調べ出してから、ビジネスも人生も持続可能性の視点で考えることに興味が湧いてきている。時々BGMとして名探偵コナンをYoutubeで流しながら作業している。
●4人目:BICP DATA 渡邉
データ担当。現在はCMP(コンセントマネジメントプラットフォーム)のプロとなるべく勉強中。テクノロジー萌えするタイプ。2歳児の母なので子育てアンテナも絶賛拡大中。
では早速第1回目のチャレンジをスタートしましょう!
パネル、オープン!
第1回目のテーマは感染拡大防止を目的とした「接触追跡」について。
併せてピックアップした記事はこちら。
AppleとGoogleが協力した新型コロナ対策「接触追跡」とは何か?
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2004/11/news027.html
渡邉:みなさんこんにちは!BICP DATAの渡邉と申します。
昨今、データとの向き合い方も急激に変化していますね。例えば、感染者数をモニタリングするスマートなダッシュボードが続々と誕生したりして、データを適切に利用することの有用性が浮き彫りになったのではないでしょうか。
そのような状況下で、データとプライバシーについても大きな変化が起ころうとしているので、それについて、みなさんの感じ方を知りたいと思って選びました。
そもそもどういう仕組みで「Contact Tracing(接触追跡)」されるの?
この記事は、AppleとGoogleが新型コロナウイルス対策で協力することを発表した、「Contact Tracing(接触追跡)」の技術についてです。仕組みを簡単に説明しますね。
太郎さんと花子さんという設定にしましょう。
太郎さんと花子さんは、初めて会いまして、ベンチで10分ほどお話をしました。
その裏側では、それぞれが持つスマホのビーコン機能が、お互い接触圏内にあることを検知して信号を交換しています。
この信号は、頻繁に変更される匿名識別子なので個人の特定は難しいです。そのような状態でお互いのアプリには濃厚接触の可能性のあるユーザーのデータが一定期間蓄積されます。
その後、太郎さんにCOVID-19の陽性反応がでました。すると、太郎さんの同意のもと、直近14日間に使用した匿名識別子がクラウドにアップロードされます。
一方、花子さん。花子さんのスマホアプリは、定期的に感染者の匿名識別しデータをダウンロードして、自分の接触データと照合します。合致したデータがあったときに、厚生労働省および保健所などからアプリを通じて濃厚接触の可能性と今後どうすべきかなどの連絡が入るという仕組みです。
参照:https://blog.google/documents/57/Overview_of_COVID-19_Contact_Tracing_Using_BLE.pdf
仕組みを知った上で、どう思った?
渡邉:単刀直入に聞きますね、みなさんは、Contact Tracing(接触追跡)のアプリが提供されたら、ダウンロードして使用してみようと思います?
川合:うーん、自分が感染者になってしまって、「経路をたどるのに入れてください」と言われたらインストールするけど、そうでなかったら進んで使いたい、とは思わないかも・・・
森国:自分が濃厚接触者と自覚できること自体は、メリットだよね。
川合:確かに、それはメリットですよね。ただ、家族がいるなら早めに手が打てると思うんですが、一人暮らしだと、「あなたは濃厚接触者です」と言われても、無自覚症状者の場合は、あまり行動に変化は起きないかもしれませんね。変わらず家にこもるだけというか。
川本:僕は、これだけの情報だと、使うのを躊躇してしまうと思います。単に「濃厚接触者です」って言われても、困りませんか?では、次になにをどうすればいいのか、わかりやすくガイドしてくれるようになっているかどうか、も重要だと思います。
あと、陽性反応者としての登録は自己申告になるのか?陽性者のみが正しくDBに登録されるような仕組みにならないと、「偽陽性者」と「偽濃厚接触者」が増えて混乱をきたしてしまうのでは?というところも気になりますね。
川合:判明後にやるべきこと、でいうと「濃厚接触者」であることが分かったら、翌日コロナバスターみたいな人が訪ねてきて、テキパキとサポートしてくれる、だと助かりますね。
「本当に、感染拡大防止のためだけに活用範囲が留まるの?」という疑問
森国:それは余計怖いな。外に出たら逮捕されたりしそう。蓄積されたデータが、誰にどう使われるかが気になる。
Bluetoothでの情報だから、位置情報と比較してプライバシー保護に配慮されている、とはいえ、やろうと思えば誰と誰がいつ接触しているかは分かるわけだし。悪用されたら?とか、何かの弾みで個人情報と結びついたら?とか考えてしまう。
川合:確かに、映画の世界のような、本来の目的以外で利用されることへの恐怖はありますね。本来の目的でしか使わない、ということを一体だれが保証してくれるのか。権力者が個人を監視できる手段を手に入れたら手放せなくなるのは自明の理ですよね。
森国:戦時・緊急時の名の下に例外措置を行なった後、その例外措置が通常として残ることが、往々にしてあるものですから。
川本:でも僕、映画で権力者に目をつけられるような目立つ行動をするタイプじゃないんで、僕なんかのデータを悪用しても別になんにもならない、とかも思いますけどね。
川合:私も、絶対的な権力、に対して覆そうとかそういうのはこれっぽっちもないんですが、自分がフェイクのデータによって不利な状態に陥れられたときに、正しい状態を証明できる方法は、手元に持っておきたいと感じますね。
渡邉:データ提供への心理的許容度も人それぞれということがよくわかりました。実際、近々感染者追跡アプリが提供されたら、国民はみなさんインストールすると思いますか?
テクノロジーの活用領域が広がるときの要素ってなんだろう
川合:だれがおすすめするか、に寄って、普及率が大きく変わると思いますね。
川本:確かに、落合陽一さんや、池上彰さんがテレビで「これは大切なことだからインストールしましょう」とアピールしたら、普及率が一気に高まりそうですね。
森国:テクノロジーは、「便利だから取り入れる」という単純なものでは無いですよね。導入した時のメリット・デメリットを明確にしたとしても、大多数の人は「なんとなく」で意思決定をしてしまう。
川合:そうですよね、「便利だから取り入れる」という効率重視の考え方がすんなり受け入れられていたら、テレワークとか、電子署名なんかはとっくに浸透していたはずですからね。
人間というものは、変化を嫌う生き物だ、という大前提がありつつ、今回のように変化をしなければ生き残れないという危機に陥った時には、さすがに変化を受け入れるんですね。
渡邉:テクノロジーの社会適用という意味では、新型コロナ(Covid-19)のもたらした社会変化は、日本社会にとってのプラスの側面もあったと感じます。
ただ、その分、流通するデータも増えていくので、ますますプライバシー観点での管理や、自分のデータを守るという意識も必要になっていきますね。テクノロジーに限らず、環境変化から引き起こされる人の心理変化についてはもう少し考えてみたいですね。
それでは第1回、この辺りでお開きとします。
次回のモデレーターとテーマは冒頭で発表します!お楽しみに!