こんにちは。BICPの菅です。
今日はマーケティング担当者、支援者であれば誰もが向き合う「マーケティングプロジェクトの入り口」について、ちょっと考えてみたいと思います。
BICPではクライアントからマーケティングプロジェクトのご相談をいただいた際に、お話を伺った上で「プロジェクト起案書」というものを提示して、スコープとプロセス、あとお見積もりのすり合わせなどをおこなうのですが、僕たちはこの起案書の作成という業務に結構こだわってやっています。僕個人的にはプロデューサーは起案書職人であるべきだと思ってまして、メンバーが書く起案書チェックにもかなり神経質で、差し戻しとかもがっつりするので、とても嫌がられていますw
(ちなみにここでいう「起案書」とは、広告代理店さんがよく提出する「ご提案書」とはまたちょっと違うものです)。
なぜ、神経質なのかというと、この起案書で定める「スコープ」はプロジェクトのゴールがある方角を示し、「プロセス」は問題や課題を解決する方程式になるからです。間違った方角にいくら頑張って砲弾を打ったところで標的には当たりませんし、方角が正しくても間違った計算式を用いるとぜんぜん違う答えが出てしまいます。
ですので、マーケティング活動の実支援に入る前に、プロジェクトを成功に導く大大前提として、この起案書が正しく定められているか否かはとても重要ですし、プロジェクトの成否の少なくない割合はこの起案書の出来に左右されていると考えています。
言ってみればプロジェクトをゴールに導く地図が「プロジェクト起案書」と呼んでいるものであるわけですが、大事なのは、クライアントからの相談はさまざまな状態、粒度で投げかけられるものだと理解をして、それを僕たちがどのように正しいプロジェクトの起点に導くか、ということなのかなと思っています。
この、クライアントからの投げかけが「マーケティングプロジェクトの入り口」と呼んでいるものなのですが、最近ちょっとした機会もあったので整理をしてみました。
ここでは、縦軸に問題⇄課題、横軸にオファー⇄オーダーをおいて、プロジェクトの入り口を4つのパターンに分類し、状態の定義とそれぞれの状態に対するマーケターのタスクを整理しています。だいたいの場合はこの4つのパターンのどれかに当てはまるのではないかなと。
マーケティングの課題を解決する具体的な施策が適切に定められて実行されていくためには、ここでいうパターン④の状態「マーケティング活動における問題が明らかで、かつ着手すべき課題に分解されている状態。」に導く必要がありますが、実際には相談の入り口には様々な状態があるため、その状態を正しく捉えてタスクを設定することが特にプロジェクトを設計するプロデューサーに求められる重要な視点なのかなと考えています。
同時に、相談を投げかけているクライアントはパターン④の認識なんだけども、よくよく掘り下げてみるとパターン③だったりする、そういう「状態に対する認識のギャップ」が起こりうるということも理解しておくこと(クライアントのみなさま、ごめんなさい・・)。ですので、特に実行系に近いオーダーがあったときほど、一度立ち止まって、このオーダーは背景にある問題から導かれているか、課題は問題を解決する上で効果的な設定になっているか、を客観的に見る必要があると思います。実行系のオーダーは受発注に近いステータスでおこなわれることが多いため、受注側はすぐお金にしたかったりもする、そしてクライアントの投資は実際に走ってしまうわけなので、状態の誤認識により効果的でない実行計画が走りやすいということも理解しておく必要があると思います。
前提として、問題と課題、オファーとオーダーの違いを理解しておくことも大切です。ただ、これはググっていただければたくさん出てくるので、ここでは言及しません。もし認識のない方がいらっしゃったら調べてみていただけるとよいかと思います。ちなみに、問題と課題の違いについてはBICP取締役、SAKUSEN TOKYO代表の堀昌之さんのブログにも書かれています。
ということで、すごくシンプルではあるのですが整理をしてみました。そりゃそうだろ!もうやっとるわ!みたいな方も僕の周りにはたくさんいらっしゃると思うんですが、そんな方にはごめんなさい。でも、参考にしていただける方がいらっしゃれば幸いです。
僕自身もプロジェクト起案書をよく書きます。実はこの起案書を書くプロセスはとても楽しく、ワクワクするものです。理想的なマーケティング活動の姿を描く、現状を把握し、問題(ギャップ)を明らかにする、問題を解決すべき課題に分解する、課題解決の実行計画をロードマップ化する。そして、このロードマップに基づいて、クライアントと併走する。
責任重大ですが、頭脳的で、クリエイティブで、とてもやりがいのある仕事だと思っています。未来に対して走るための地図を描いている感覚です。だからこそ、起点は正しく置きたいと思っています。
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さて、ついでなので(というか会社にとってはとても大事な話)お知らせです。
BICPではマーケティングプロジェクトの起点づくりから、実行まで、クライアントと併走したい!という方を、大募集しています。BICP流ではありますが、神経質な僕が起案書の差し戻しとかちゃんとやりますw(普段は神経質ではない)
→募集要項はこちら。めっちゃ長いですが、お気軽にw
おかげさまでBICPもあと3ヶ月で第2期が終了、日々ご支援いただくクライアント、パートナーの皆様に感謝しながら、第3期に向けて新しい仕込みもスタートしています。みなさま、引き続きよろしくお願いいたします!